皮膚と地図
「皮膚と地図-4名のアーティストによる身体と知覚への試み」
「皮膚と地図Ⅱ−記憶と時間への近づき方」
企画展覧会の情報を掲載しています。

2010年3月14日日曜日

Exhibition Information

■Title
Skin & Map: the study of body and sense by four artists
(Curatorial Exhibition Competition (Art space) of Aichi Triennale 2010)

■Artists
Kanako Hayashi, Miki Kubota, Satoru Shimizu, Takuya Ikezaki

■Curator
Sayako Mizuta

■Date
August 21-September 12,2010

■Venue
Aichi Arts Center, Art Space G, 12th Floor

Final Result of Curatorial Exhibition Competition (Art space) of Aichi Triennale 2010.

窪田美樹


窪田美樹(くぼたみき)

木製の家具の表面の隙間を埋め、さらに研磨することで表面の「かげ」が取り払われ、表皮を剥がされたような物体が立ち上がってくる「かげとり」のシリーズや、くしゃくしゃに丸めた紙でモチーフを敷き詰める「はれもの」シリーズなどの彫刻作品を制作している。これらの作品は、表面の質感が観る者に迫り、さらに虚像と実像が往来し、表層と内側が繰り返し置換する、虚と実、裏と表が同時に存在する作品である。削る、磨く、丸める、埋める、などシンプルな行程の繰り返しによってできあがる作品は、彫刻作品でありながらその制作の過程はまるで生成過程のドローイングのように常に変化しながら生まれ、絵画のような彫刻と評されることも多い。


略歴
1975年 神奈川県生まれ 1999年 武蔵野美術大学彫刻学科卒業 2001年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース修了
個展
2009年 「かげとりと、はれもの」hpgrp gallery Tokyo、東京
2008年 「第2回Shiseido Art Egg 「Deshadowedかげとり」」資生堂ギャラリー、東京
    「かげとり―光に追い込む」H.P.FRANCE WINDOW GALLERY、東京
2007年 「かげとり」新宿眼科画廊、東京
2005年 「固形スープ」Galerie SOL、東京
    「うつくしい景色」appel、東京
2004年 「破裂」Gallery Jin、東京
2003年 「おいしいね」なるせ美術座、東京
    「座敷芸」かわさきIBM市民文化ギャラリー、神奈川
2002年 ガレリアキマイラ、東京
    「ドローイング展」café Est!、東京
    「沼」Gallery pirka、東京
2001年 exhibit Live、東京「切りとることと配列すること」ギャラリーαM、東京
2000年 フタバ画廊、東京
    セゾンアートプログラム「ART-ING東京2000:16×16」ギャラリーSOL、東京
1999年 「第4回アート公募2000」ギャラリーアート倉庫、東京
    「かたちなのかものなのか」なるせ美術座、東京

グループ展
2009年 「第一回所沢ビエンナーレ「引込線」」西武鉄道旧車両工場、埼玉
    「Haptic-触覚/ヴィック・ムニーズ キュレーションによるブラジル・日本アーティスト展」
    トーキョーワンダーサイト本郷、東京
2008年 「所沢ビエンナーレ・プレ展「引込線」」西武鉄道旧車両工場、埼玉
    「The House ―気配の部屋―」日本ホームズ住宅展示場、東京
2006年 「第3回府中ビエンナーレ」府中市美術館、東京
2005年 「RA'05」武蔵野美術大学美術資料図書館、東京
    「美術の星座2005」 ギャラリーくまい、東京
    「『 Shows 』 Vol.1」(第11回ADSP受賞展覧会)アルスギャラリー、東京 
2002年 Gallery Jin('03、'04)、東京
2001年 「セレクション2001」ガレリアキマイラ、東京
2000年 「美術の星座」なるせ美術座、東京
 「ART-ING 東京2000:16×16 ≪INDEX」展」セゾンアートプログラム・ギャラリー、東京

その他
コレクション 府中市美術館
アーティストインレジデンス 2008年 トーキョーワンダーサイト

池崎拓也


池崎拓也(いけざきたくや)

池崎拓也HP http://ikezaki3.konjiki.jp/IKEZAKI_Takuya/

身近にある素材や道具、紙、ビニールテープ、布、針金など可塑的な素材を用いてインスタレーションを展開している。簡単に把握できるはずのシーツの皺や、バスタオルの裏表、目を閉じたときに見える砂嵐や光の明滅などになかなか到達できないもどかしさや、気付かない場所で起こる知覚への疑問が彼の作品の構成要素になっている。インスタレーションでは、とらえどころのない感覚や事物の裏と表、始まりと終りなどの知覚と認識の重なりを地図化する作業のように展開していく。池崎によると「作品が完成したとあまり思ったりしない」らしく、ときに自分の感覚そのものを表し、ときに事物や場所に自分を重ねながら行うマッピングは、「必要ならば足すし引くし」というように広がっていく。

略歴
1981年 鹿児島県徳之島生まれ
2005年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2009年 中国北京中央美術学院造形部実験芸術科にて研修中。
現在、北京・東京在住

個展
2009年 「瞼の裏側とその空虚マップ」新宿眼科画廊、東京
2007年 「その時、瞬きしました」Loop Hole、東京
    「こんな所に来てしまった」新宿眼科画廊、東京
2006年 「太陽で目が眩んじゃった」中崎透遊戯室(武蔵野美術大学内)、東京

グループ展
2009年 「Emerging Artist Support Program 2008“座布団レース―偶然の出会いから急激に広がるイメージ―”」トーキョー
    ワンダーサイト本郷、東京 (キュレーション:光興)
    「重慶国際芸術祭」重慶501現代美術館、重慶、中国
2008年 「“BCA X'mas mARkeT: New Year Gift from Young Artists market」Beijing Center for the Arts at Legation Quarter、
    北京、中国
    「“Formless Life”」村住知也宅、金沢県
2005年 「39アンデパンダン展」Fads art space、東京
    「フリーター会議」新宿眼科画廊、東京
    「風呂屋劇場」才の神浴場 元三菱マテリアル社員用浴場、直島、香川県
2004年 「HOMEBASE curation program2」HOMEBASE、東京
2003年 「○☆! the park」Fads art space、東京

その他
中国政府奨学金

清水悟


清水悟(しみずさとる)

物の表面をなぞり、なぞった跡が凸版になり、擦って紙に転写するという過程で作品を作っている。建物の壁の模様や、新聞紙、雑誌や図鑑などからモチーフを集め、一見意味のない物の組み合わせが一つの世界を構築していく。清水の作品にも虚と実の往来があり、平面的で実体のない図像や文字、または建物の表面をなぞることで版という物質に立ち上がらせ、もう一度平面に戻していく。できあがった作品からは紙の質感や平面作品のわずかな凹凸を感じることができる。自分の内面のイメージを表出させるのではなく、触る、なぞる、こするなどの行為によって成立する新しいドローイング。

略歴
1980年 福岡県生まれ
2004年 武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業

個展
2008年 「Maison Jojo」Omoh Gallery、東京
2007年 「いろ の ない うみ」住居用アパート、東京

グループ展
2009年 「09 TDC展」ギンザ・グラフィック・ギャラリー、東京

展覧会概要


■展覧会タイトル
あいちトリエンナーレ2010現代美術展企画コンペ選考企画
 皮膚と地図−4名のアーティストによる身体と知覚への試み

 ■出品アーティスト
  池崎拓也、窪田美樹、清水悟、林加奈子

 ■企画者
 水田紗弥子

 ■会期
 2010年8月21日〜9月12日

 ■会場

愛知芸術文化センター 12階アートスペース

■企画コンペ概要など

http://aichitriennale.jp/archives/news/2010_15.php

http://www.pref.aichi.jp/0000029679.html

林加奈子


林加奈子(はやしかなこ)

建物の隙間に身体を融け込ませる試みや、路上の亀裂や壁の凹みに果物や花を詰めるなど、街の表面に働きかけることで独特の知覚を浮かび上がらせるプロジェクトを行っている。場所や街に知覚を刺激されることで、作品という目印を埋め込むように、作品が展開していく。タバコの吸い殻を集めて絵を描くドローイングや、壁やガードレールの隙間にパズルのピースをはめる様に身体を埋め込むパフォーマンスのような作品など都市の表面へのアプローチは、既成の地図を書き換え、私たちの感覚に迫る新しい地図を見せてくれる。

略歴
1981年 大阪生まれ
現在、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻在籍

個展
2009年 「continue #6 STREET PRACTICE」Otto Mainzheim Gallery、東京

グループ展
2009年 「フランス大使館解体前プロジェクト –No man’s Land-」旧フランス大使館、東京
    「ATLAS展」東京藝術大学取手校地、茨城
    「広島アートプロジェクト2009」吉島、広島
    「宮下公園サマーフェスティバル」宮下公園、東京
    「Porto Gallery オープニング企画展」Porto Gallery、神奈川
    「混浴温泉世界 わくわく混浴アパートメント」清島アパート、大分
2007年 「INDEX #3」トーキョーワンダーサイト本郷、東京、shin-bi、京都

その他
ワークショップ
2009年 「EVERY DAY AND ANY DAY –art practices based on daily life-」遊工房アートスペース、東京
    「ON SITE LAB 2009 –Dialogue with art and environment -」トーキョーワンダーサイト青山、東京
ドキュメンテーション
2009年「わくわくJOBAN-KASHIWA プロジェクト」TSCA、千葉
2008年「Free Media International University -FREE MEDIA FREE ART-」ZAIM、神奈川
プロジェクト
2004-2006年 「Sarajevo International Culture Exchange」サラエボ、東京、ベルリン